漢文学、日本文化論演習
水曜日Ⅲ講時、木曜日Ⅲ講時
私の母親は、祖父の仕事のため幼少期を満州で過ごしました。そのため、私も子供のころから満州での生活や中国の人々との交流などについて話を聞かされ、少しずつ中国に関心を持つようになりました。大学に入り、専攻として中国哲学を選択しましたが、この中国哲学研究室はひたすら漢籍を読む訓練に明け暮れる場でした。一文の中に三千年の歴史が詰まっているかのような文章を、典拠探しのため膨大な漢籍文献と格闘しながら読解して行くという地味な作業が妙に性に合っていたらしく、うっかり大学院博士課程まで在籍し、研究者として生きることになってしまった、というわけです。
「これを知る者はこれを好む者にしかず、これを好む者はこれを楽しむ者にしかず」(『論語』雍也篇)
「何かをやり続けて楽しむ境地に達すれば、元々それが好きな人間にも勝る」と聞けば勇気が湧いてきます。
『論語』?『水滸伝』 理由:片や古典中の古典、片やアウトローたちを描く痛快通俗小説。中国を理解するにはぜひとも両方を読んでみて欲しいところです。色々訳が出ていますが、どの訳で読んでもいいと思います。